From:藤井百七郎

名古屋自宅のオフィスより、、、

先日、会員様よりこのような問合せがありました。

「日経平均、TOPIXともに前の高値を超えてきたので

 こりゃもう全力で買いですよね?」

日経平均、TOPIXともに7/3に陽線で6月の前回高値を

チャート的には終値ベースでも確かに抜けてきています。

テクニカル分析において前回の高値抜けは強い上昇、

買いのサインとされています。安値と安値を結ぶ

トレンドラインを引いてコピーをして高値に合わせる

チャネルラインから考えると少なくとも36000円までの

スムーズな上昇が見通せます。今から買いで入れば

5~10%近い利益が見込まれます。

“一般的な”チャート分析から考えると絶好の買い場と

なるわけですが、果たして本当にそうなのでしょうか…。

今回は単純にチャートの表面だけを見るのではなくて

その裏側に迫ってみたいと思います…


結論から言うとまだ思いっきり買ってはいけません。


なぜなら7/3の陽線は「本当の買い」ではない可能性が

まだあるからです。復習になりますが買いにも2種類あります。

新規、または追加の買いと売り方さんのロスカットの買いです。

前者の買いであればこれはもういけいけどんどんの展開が

予測されますが、後者の買いであるならば上昇は

一時的になる可能性がでてきます。

これはまた復習になりますが相場というのは魑魅魍魎の

猛者たちの集まりで人の欲と恐怖が入り混じった

実にややこしい世界でもあります。何が正しく何が悪いの

基準もなく常に正義の見方が勝つ世界でもありません。

前回の高値をチャートレベルのダウ理論で抜けてきたらと言って

そこから強烈なトレンドが発生するなんて誰も保証できないわけです。

短期筋のある程度の資金をもった投資家が売り方がひーひー

言ってるのを見てスポット的に買いを入れて売り方を

焼つかせて短期的な利益を狙っていたのかもしれません。

となると今回のなんとも美しいチャート的な上昇のサインは

『ダマシ』となってシューっと下がってきてしまうわけです。

チャート(相場)を見るときはチャート上の表面的な部分だけを

見て、信じ込んでしまってエントリーをしてしまうと

勿体ない損失や含み損を抱えてしまうことになります。

テクニカル分析は確かに有効です。

しかし、チャートはこうした相場の結果の形を教えてくれるだけで

そこにあった内面や内情を教えてはくれません。

ですからトレーダー自身がそういった「チャートの裏側」までを

しっかりと見てエントリーや手仕舞いをしていくようにしましょう。

我々のいる相場の世界は魑魅魍魎の集まりなのですから(^^♪